「義務」と「権利」は対義語にあたる言葉で、違いは「放棄できるかどうか」だけです。「ものを買う場面」に注目すると、簡単に違いがわかります。
ものを買う人 | 意味の違い | |
義務 | お金を支払う義務がある | 必ずしなければならないこと(放棄できない) |
権利 | 商品を受け取る権利を得る | することができること(放棄できる) |
より詳しい説明を知りたい方は、この記事の下で解説していますので、ぜひ読んでみてください。
義務と権利の違いとは?
読み方
義務・・ぎむ
権利・・けんり
意味の違い
意味の違い | |
義務 | 必ずしなければならないこと |
権利 | することができること |
「義務」と「権利」それぞれの意味
「義務」の意味
「義務」とは、「〜ねばならないこと」です。
それぞれの立場に応じて、必ずしなければならないことを指す言葉です。
「権利」の意味
「権利」とは、「〜できる」ことです。
物事を、自分の意思によって自由に行ったり、他人に要求したりすることのできる資格や能力のことを指す言葉です。
義務と権利の使い分け
使い分け | |
義務 | 放棄できない |
権利 | 放棄することもできる |
日本国民の「三大義務」と「三大権利」とは?
日本国民の「三大義務」 放棄できない
三大義務 | |
1, 教育 | すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負う。(第26条2項) |
2, 勤労 | すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負う。(第27条1項) |
3, 納税 | すべて国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う。(第30条) |
日本国民の「三大権利」 放棄することもできる
三大権利 | |
1, 生存権 | 健康で文化的な最低限度の生活を営む権利 |
2, 教育を受ける権利 | 教育を受ける権利 |
3, 参政権 | 政治に参加する権利 |
コラム
義務と権利は対義語なのに、「勤労の権利を有し、勤労の義務を負う」て矛盾していない?
実は、「勤労の義務」は元はというと、資本家や大地主の不労所得に対する牽制するために発案されたものだったようです。
日本国憲法は、敗戦後のGHQによる統治のもとで制定されたものですが、GHQの案には「勤労の義務」は存在せず、「勤労の権利」だけが存在していました。
ところが、(旧)社会党が、「勤労の義務」を加えるように発案! その意図は、労働者中心の観点から、不労所得によって生活する資本家や大地主を牽制し、自らの労働によって生活すべきという精神を示すためだったようです。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
「義務」と「権利」の英語表現
英語表現 | 意味の違い | |
義務 | duty( デューティー) | 道徳的な責任からくる義務 |
obligation(オブリゲーション) | 強制的に従わされる義務 | |
権利 | right (ライト) | 法律的で全ての人に認められる権利 |
privilege(プリビレッジ) | 個々の能力や努力によって与えられる権利 |
サマリー
- 「義務」と「権利」は対義語にあたる言葉!
- 違いは「放棄できるかどうか」だけ !
- 「ものを買う場面」に注目すると、簡単に違いがわかる!
ものを買う人 | 意味の違い | |
義務 | お金を支払う義務がある | 必ずしなければならないこと(放棄できない) |
権利 | 商品を受け取る権利を得る | することができること(放棄できる) |