「受験」と「受検」の違いは「合格不合格を線引きする基準の有無」です。
「受験」は「合格不合格を線引きする基準のない試験」を受けることに対して使われる一方、「受検」は「合格不合格を線引きする基準のある検査や検定」を受けることに対して使われるという違いがあります。
使い分け:合格不合格を線引きする基準の有無 | 意味の違い | |
受験 | 無:ない | 入学試験を受けること |
受検 | 有:ある | 漢字検定などの検査・検定を受けること |
「高校の入学試験」では「受験」も「受検」も使われています。
その理由など、より詳しい説明を知りたい方は、この記事の下で解説していますので、ぜひ読んでみてください。
「受験」と「受検」の違いとは?
読み方
受験・・じゅけん
受検・・じゅけん
意味の違い
意味の違い | |
受験 | 学力・知識・能力などを判断・評価するための試験を受けること |
受検 | 一定の基準を元に、合否や等級を調べるための検定や、異常の有無や適不適を調べるための検査を受けること |
「受験」と「受検」それぞれの意味
「受験」の意味
「受験」とは、「試験を受けること」です。
「学力・知識・能力などを調べるための試験を受けること」を表す時に使われる言葉です。
受験の合否の判断には、絶対的な基準はありません。
「受検」の意味
「受検」とは、「検査や検定を受けること」です。
視力検査などの検査や、漢字検定などの検定など、一定の基準に基づいて合否や適不適を調べることを表すときに使われる言葉です。
「受験」と「受検」の使い分け
使い分け | |
受験 |
絶対的な判断基準がない試験を受けることを表す時に使われる
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受検 |
一定の判断基準がある検査や検定を受けることを表す時に使われる
|
「公立高校」の入学試験ではなぜ「受検」が使われる?
東京都では、私立高校は「受験」で公立高校は「受検」と分けているそうです。東京都以外の学校でも、「私立高校」は「受験」で「公立高校」は「受検」を使うことが多いです。
その理由は、「公立高校」と「私立高校」では、「入学志望者に何を実施するか」に違いがあるからです。
「入学志望者に実施するもの」の違い | ||
公立高校の入学試験 | 入学者選抜検査 | 一定の基準に達していれば合格 |
私立高校の入学試験 | 入学試験 | 学力だけでなく、人柄など総合的な判断で合否が決定 |
高校の入学試験で「受験」と「受検」が使われる理由!
公立高校で「受験」ではなく「受検」が多く使われる理由は、「公立学校」ができた背景や歴史と深く関わっています。
第二次世界大戦後、国民・子供達の格差をなくすために学制改革が実施されました。
当時設置された新制の公立高校は、希望者は原則全員入学できるとされていたそうです。
ところが、大戦直後は教室が不足していたため、学力検査で入学者を選抜する必要がありました。
学力検査をしなくてはならなくなったという背景からできた入学試験だったため、「一定の基準に達した受検者」は合格としていたそうです。
生徒に実施しているのが、一定の基準に達しているかを調べる入学者選抜検査だったため、「受検」が使われるようになったそうです。
一方、私立高校は戦後の学制改革の対象となりませんでした。
そのため、その学校のイメージに合う生徒を入学させるべく、学力だけでなく、生徒の人柄や言葉遣い、態度なども重視し、総合的な判断で合否を決定する入学試験が実施されてきました。
このような背景から、「公立高校」では「受検」、「私立高校」では「受験」を使うことが多いそうです。
サマリー
- 「受験」と「受検」の違いは「合格不合格を線引きする基準の有無」。
- 「受験」は「合格不合格を線引きする基準のない試験」を受けることに対して使われる。
- 「受検」は「合格不合格を線引きする基準のある検査や検定」を受けることに対して使われる。
使い分け:合格不合格を線引きする基準の有無 | 意味の違い | |
受験 | 無:ない | 入学試験を受けること |
受検 | 有:ある | 漢字検定などの検査・検定を受けること |