「景色」「風景」「光景」「情景」の違いと使い分けは、おおよそ次の通りです。
自然限定の眺め | 心地よい全ての眺め | 心地悪い全ての眺め | 強く心を揺さぶられる眺め | |
景色 | ○ | |||
風景 | ○ | |||
光景 | ○ | ○ | ||
情景 | ○ |
この記事では、①景色と風景 ②風景と光景 ③光景と情景 の3つの組み合わせを、対比しながら違いを説明しています。
①「景色」と「風景」の違いとは?
「景色」と「風景」は、どちらも「人が鑑賞の対象とするもの」を表す言葉です。違いはその「対象」です。「景色」は対象が「自然限定」なのに対し、「風景」は「全て」が対象になるという違いがあります。
意味の違い:対象 | 使い分け | |
景色 | 自然限定 | 海や山などの自然に対して使われる |
風景 | 全て | 自然だけでなく、街並みや建物などの人工物に対しても使われる |
②「風景」と「光景」の違いとは?
「風景」と「光景」は、どちらも「目の前に広がっている眺め」を表す言葉です。違いは「どんな眺め」かです。「風景」は対象が「心地よい眺め」だけなのに対し、「光景」は「心地悪い眺め」も対象になるという違いがあります。
意味の違い | 使い分け | |
風景 | 心地よい眺め | 田園風景や通学風景など、心地よい眺めや様子に対して使われる |
光景 | 心地よい眺め・心地悪い眺め | 心地よい眺めだけでなく、悲惨な光景など、心地悪い眺めや様子に対しても使われる |
③「光景」と「情景」の違いとは?
「光景」と「情景」の違いは「強い心の揺さぶりの有無」です。「光景」は「目に入ってくる眺め」に対し、「情景」は「強い心の揺さぶりがあるような眺め」に対して使われるという違いがあります。
また「情景」は「目で見る眺め」だけでなく、「心に浮かぶ場面」に対しても使われるという違いがあります。
意味の違い:強い心の揺さぶりの有無 | 使い分け | |
光景 |
無:ない 目に入ってくる眺め |
目の前の眺めや様子に対して使われる |
情景 |
有:ある 目に入ってくる眺め・心に浮かぶ場面 |
強い心を揺さぶりがあるような眺めや様子、心に浮かぶ場面に対して使われる |
「景色・風景・光景・情景」それぞれの意味
「景色」の意味
「景色」とは、「鑑賞の対象としての自然界の眺め」です。自然界の眺め限定で使われる言葉です。
「風景」の意味
「風景」とは、「目に入ってくる広い範囲の眺め」です。自然界の眺めだけでなく、街並みなどの人工的な眺め、そして日常の様子などに対しても使われる言葉です。
「光景」の意味
「光景」とは、「目の前に広がる眺め」です。心地よい眺めだけでなく、悲惨な光景など心地悪いものに対しても使われる言葉です。
「情景」の意味
「情景」とは、「強く心を揺さぶられる眺め・記憶に残る場面」です。「光景」が見えたままの眺めに対し、「情景」は強い心の揺さぶりが加わります。
「光景」同様、心地よいものだけでなく、心地悪いものに対しても使われる言葉です。
「景色・風景・光景・情景」の使い分け
自然限定の眺め | 心地よい全ての眺め | 心地悪い全ての眺め | 強く心を揺さぶられる眺め | |
景色 | ○ | |||
風景 | ○ | |||
光景 | ○ | ○ | ||
情景 | ○ |
「情景」のみ「心に浮かぶ場面」も含まれる
使い分け | |
景色・風景・光景 | 目に入ってくる眺め |
情景 | 目に入ってくる眺め・心に浮かぶ場面 |
「景色・風景・光景・情景」の言い回し例
自然限定の眺め | 心地よい全ての眺め | 心地悪い全ての眺め | 強く心を揺さぶられる眺め |
○景色:雪景色・山の景色 |
|||
○風景:山頂からの風景・練習風景 | |||
○光景:美しい光景・夕食の光景 | ○光景:恐ろしい光景・悲惨な光景 | ||
○情景:感動的な情景・幼い頃の情景が心に浮んだ |
サマリー
自然限定の眺め | 心地よい全ての眺め | 心地悪い全ての眺め | 強く心を揺さぶられる眺め | |
景色 | ○ | |||
風景 | ○ | |||
光景 | ○ | ○ | ||
情景 | ○ |
使い分け | |
景色・風景・光景 | 目に入ってくる眺め |
情景 | 目に入ってくる眺め・心に浮かぶ場面の様子 |