「シナチク」と「メンマ」は、実は全く同じものです。「麻竹(まちく)」という種類のたけのこを使った加工食品のことを指す言葉です。
「シナチク」が「昭和20年代以前からある呼び名」、「メンマ」が「昭和20年代半ばに作られた呼び名」です。
意味は同じ | 違い | |
シナチク | 麻竹(まちく)を乳酸発酵させて、味付けしたもの | 昭和20年代以前からある呼び名 |
メンマ | 昭和20年代半ばに作られた呼び名 |
「シナチク・メンマ」と「たけのこ」の違いは、「加工食品」か「総称」かです。
「シナチク・メンマ」は「麻竹(まちく)という種類のたけのこを使った加工食品」のこと、「たけのこ」は「全ての竹の新芽を表す総称」です。
意味の違い | |
シナチク・メンマ | 麻竹(まちく)という種類のたけのこを使った加工食品 |
たけのこ | 全ての竹の新芽を表す総称 |
「シナチク」を「メンマ」と呼ぶようになった理由など、より詳しい説明を知りたい方は、この記事の下で解説していますので、ぜひ読んでみてください。
「シナチク」と「メンマ」の違いは呼び方だけ!

「シナチク」と「メンマ」は全く同じものを指す言葉です。「シナチク」が「昭和20年代以前からある呼び名」、「メンマ」が「昭和20年代半ばに作られた呼び名」です。
昭和20年代までは「シナチク」と呼ばれていた!
「シナチク」を「メンマ」と呼ぶようになったのには、かつて中国を「支那(しな)」と呼んでいた歴史的背景が大きく影響しています。
戦前、中国から伝わったものには「支那そば」「支那大根」というように、「支那(しな)」を付けて呼んでいました。
そのため「麻竹(まちく)」の加工食品も、中国(支那)からきた竹の子ということで、「支那竹(シナチク)」と呼ばれていました。
台湾政府の抗議によって誕生したのが「メンマ」
「シナチク」と呼ばれていたものに「メンマ」という別の名前を付けたのは、「丸松物産の創業者:故松村秋水氏」と言われています。
丸松物産の前身となる会社が、台湾から輸入していた乾燥メンマに使っていた商標が「SHINACHIKU」でした。
これに対し当時の台湾政府から、『台湾産なのに、商品名に「SHINA(中国の意)」を付けるとは何事だ!』と抗議を受けたそうです。
そのため新しい商品名を付けないといけなくなり、誕生したのが「メンマ」と言われています。
「メンマ」と名付けられた理由!
「メンマ」という言葉が生まれたのは、ラーメンの上に麻竹(マチク)を載せるから!
「麺の上にのせる麻竹(まちく)」で、「麺麻(メンマ)」と名付けたそうです。
「メンマ」は日本で商標登録できず、一般名称に!
元々「商品名」として名付けられた「メンマ」でしたが、他の商品と名前が類似しているという理由で商標登録ができなかったそうです。
そのため、一般名称として使われるようになりました。
「メンマ」を全国に広めたのは桃屋!
「メンマ」が全国に広まったのは、桃屋が「味付けメンマ」という商品を発売したことがきっかけです。
全国放送されたテレビCMによって、「メンマ」という名前も全国に広まっていきました。
「シナチク」と「メンマ」:どちらが多く使われているの?
2004年2月:シナチク15 メンマ10

2020年5月:シナチク10 メンマ100

「グーグルトレンド」というネット上で検索している人の数がわかるツールでチェックしてみると、2004年2月時点ではまだ「メンマ」より「シナチク」という言葉が使われていましたが、その直後から「メンマ」の検索数がどんどん増え、2020年5月時点では、「メンマ」の検索数が圧倒的に多くなっています。
「シナチク・メンマ」と「たけのこ」の違い
「シナチク・メンマ」と「たけのこ」の違いは、「麻竹(まちく)」から作られた加工食品」か「全ての竹の新芽の総称」かです。
意味の違い | |
シナチク・メンマ |
麻竹(まちく)という種類のたけのこを使った加工食品 ![]() |
たけのこ |
全ての竹の新芽を表す総称 ![]() |
2018年から国産の「メンマ」が販売されている?
元々、日本で食されている「メンマ」の99%以上が、中国や台湾など外国産の原料が使用されていました。
なぜなら、メンマの原料となる「麻竹(まちく)」の主な栽培地は中国南部や台湾で、日本ではほとんど採れなかったからです。
ところが福岡県の「タケマン」という会社が、全国的に問題視されている放置竹林の「孟宗竹(モウソウチク)」という種類の竹を使った「国産メンマ」を製造することに成功!
2018年から「糸島メンマ」という名前で国産メンマが販売されています。
サマリー
- 「シナチク」と「メンマ」は、実は全く同じものです。「麻竹(まちく)」という種類のたけのこを使った加工食品のことを指す言葉。
- 「シナチク」が「昭和20年代以前からある呼び名」、「メンマ」が「昭和20年代半ばに作られた呼び名」。
- 「シナチク・メンマ」と「たけのこ」の違いは、「加工食品」か「総称」か。
- 「シナチク・メンマ」は「麻竹(まちく)という種類のたけのこを使った加工食品」のこと、「たけのこ」は「全ての竹の新芽を表す総称」。
意味は同じ | 違い | |
シナチク | 麻竹(まちく)を乳酸発酵させて、味付けしたもの | 昭和20年代以前からある呼び名 |
メンマ | 昭和20年代半ばに作られた呼び名 |
意味の違い | |
シナチク・メンマ | 麻竹(まちく)という種類のたけのこを使った加工食品 |
たけのこ | 全ての竹の新芽を表す総称 |