心の探究

同じ音なのに、違って聞こえた

 

 

寝ていたら、
ヘリコプターの大きな音で目が覚めた。

こんな時間に?

一瞬、ここがどこかわからなくなる。

オーストラリアの姉の家だった。

少しして、その音の理由を思い出した。

この近くに、新しく大きな病院ができた。

そこへ、ヘリで患者さんが運ばれてくるのだと聞いていた。

しばらく、耳を澄ませながら
ベッドの中でその音を聞いていた。

そのとき、ふと実家のことを思い出した。

実家のすぐ近くにも、
同じようにヘリコプターの音が聞こえる場所がある。

夜になると、よく聞いていた音だった。

急に、遠く離れた姉の住む場所が、
とても近く感じられ、
胸がふわっと軽くなる。

この音の先に、
重体の誰かがいるのかもしれない。

大丈夫かなぁ。

少しだけ、胸がぎゅっとなる。

これが、救急用のヘリコプターでなければ、
こんなふうには聞こえなかったと思う。

同じ音なのに、
意味が変わると、こんなにも違って聞こえる。

遠くの空を見上げながら、
心の中で小さくつぶやいた。

がんばって。

その言葉が、
誰に届くわけでもないとわかっていても、
なぜかそう思わずにはいられなかった。

🌻脳内ルール
ヘリの音は、うるさい

ヘリの音は、ありがたい

初出 : X @hanahanahealing