「ギャー」
歩道のない道を歩いていた。
ちょうど、私の背の高さまで葉が伸びている木の下を、
何気なくくぐったその瞬間。
首に、何かが引っかかった。
動けない。
まるで、首を絞められたみたいに、体が固まる。
一瞬、何が起きたのかわからなかった。
ギロチンに触れたような、強い衝撃だけが残っていた。
少しして、ゆっくり周りを見渡す。
目の前にあったのは、大きなサヤの実だった。
首に引っかかっていたのは、それだった。
オーストラリアで、このサヤを見たのは初めてではない。
でも、いつも高い場所にあって、手が届かなかった。
どこかで、勝手に思っていた。
やわらかいものだろうと。
でも、実際は違った。
驚くほど大きくて、そして、固かった。
もし、勢いよくぶつかっていたら・・・
そう思うと、少し怖くなった。
私は、見たことがあるだけで、
知っているつもりになっていたのかもしれない。
本当は、触れてもいないのに。
遠くから見ただけで、
勝手に安心していた。
でも、近づいてみると、
全然違うこともある。
首元に残った、少しの痛みと一緒に、
そんなことを思った。
🌻脳内ルール
見たことがある=わかっている
↓
近づいてみないと、本当のことはわからない
初出 : X @hanahanahealing