心の探究

耐震工事と、両親との境界線

実家の耐震工事が続いている。

父78歳、母74歳。

家具の移動。押し入れを空にする作業。
想像するだけで、なかなかの重労働。

手伝いたい気持ちはある。
でも、行けばきっと私は疲れ切ってしまう。

だから今回は、
両親を信頼することにした。

約2ヶ月。
もうすぐ工事が終わる。

少し心配になって、母に電話をした。

受話器の向こうの声は、驚くほど元気で、
「5月にね、お父さんと旅行に行くの。」
嬉しそうに、そう言った。

母の弾んだ声を聞きながら、
私は少し、力が抜けた。

どうやら私は、「助けなきゃ」から「信頼していい」に、
静かに引っ越していたらしい。

初出:X@ hanahanahealing